今回は、看板の耐用年数について解説します。
看板は基本的に固定資産として扱われるため耐用年数があり、減価償却が必要です。
「耐用年数」というとどのくらい看板が保つかというイメージがあると思いますが、寿命とは異なります。
本記事では、看板の耐用年数と寿命の違いや減価償却についても説明していますので、参考にしていただけたらと思います。
看板の耐用年数は寿命とは違う?愛媛で看板製作
看板の耐用年数とは寿命とは異なり、法定耐用年数を指します。法定耐用年数と減価償却については次の項目で解説していますので、参考にしてみてください。
また、看板の素材や種類、使用環境によっては、劣化・寿命までの年数は異なります。
看板の劣化の原因には、以下のようなものがあります。
- 環境(雨や潮風などによるサビ・落下)
- 経年劣化(金属やプラスチックの劣化、塗装の剥がれ、色あせなど)
特に、看板の素材によっては錆びやすかったり、設置環境によっても破損しやすかったりと劣化の原因はさまざまです。
定期的に点検を行い、劣化している部分などをメンテナンスしていきましょう。
看板法定耐用年数と減価償却(建物附属設備など)
上記の項目でお話ししたように、看板の耐用年数というのは寿命のことではありません。看板を資産として費用を計上できる年数を、耐用年数と言います。
看板は、減価償却の対象となる固定資産です。減価償却とは、費用を一定期間ごとに分割して計上する仕組みのことを指します。
看板の購入金額が50万円だとして、耐用年数が10年だとすると、一年間に5万円ずつ費用として計上する……というイメージです。
10年使用するものなのにもかかわらず一年で全額計上してしまうと、翌年から費用がかかっていないことになってしまいます。そのため、一年間で使用した分として費用を計上する減価償却が必要なのですね。
例外として、購入金額が10万円以内の看板や、試用期間が1年に満たない看板の場合、その年間の費用として計上可能です。
また、看板はその種類によって異なる耐用年数が定められています。
こちらの項目では、以下のそれぞれの種類の看板について、法定耐用年数を解説していきます。
- 袖看板や壁面サイン看板の耐用年数
- 屋上看板や野立て看板の耐用年数
- スタンド看板や電飾看板の耐用年数
- アクリル看板の耐用年数(耐久年数)
それではひとつずつ確認していきましょう。
袖看板・壁面サイン看板の耐用年数(建物附属設備)
袖看板(建物の壁面に設置されている看板)や突き出し看板などは、建物に固定されているため建物附属設備に当てはまります。建物附属設備とは、建物に取り付けられていて一体となっている設備です。壁面サイン看板もこちらに該当します。
また、看板の素材によっても、以下のように定められている看板の耐用年数が異なります。
- 金属製が18年
- 金属以外は10年
このように、袖看板や壁面サイン看板などの建物附属設備については、金属製が18年、金属以外は10年という法定耐用年数が定められています。
屋上看板や野立看板の耐用年数(構築物)
屋上看板や野立て看板(路上などに設置されている看板)などは、屋外に固定して設置されているため構築物に当てはまります。構築物とは、屋外に設置された建物以外の設備のことを指します。
構築物に当てはまる看板の耐用年数は素材別で以下のように定められています。
- 金属製が20年
- 金属以外が10年
このように、屋上看板や野立て看板のような構築物については、金属製が20年、金属以外が10年という法定耐用年数が定められています。
スタンド看板や電飾看板の耐用年数(器具備品)
スタンド看板や電飾看板など、移動可能な簡易な看板は器具備品に当てはまります。器具備品とは、耐用年数が1年以上あるもしくは取得金額が10万円以上、または30万円以上の備品を指します。
器具備品に当てはまる看板の耐用年数は、素材別で以下のように定められています。
- 木製が3年
- 金属製が10年
このように、スタンド看板や電飾看板などの器具備品に当てはまる看板については、木製が3年、金属製が10年という法定耐用年数が定められています。
アクリル看板等の耐用年数(耐久年数)
アクリル看板といっても、どのような看板かによって耐用年数が異なります。
アクリル素材の耐久年数は3〜5年程度と言われていますが、環境などによっても劣化までの年数は異なりますので、注意が必要です。
その他の素材(面板)の耐久年数は、以下のようなイメージです。
- プラスチック:2〜3年
- ステンレス:3〜5年
- アルミ複合板:3〜5年
- ターポリン(布):3〜4年
もちろん、看板のどの部分にどの素材を使用するかで耐久年数は大きく異なります。
また、金属などは強度があり15年ほど保つとされていますが、サビや腐食に弱いという欠点もあります。腐食が進んでいくと落下の原因にもなりますので、定期的なメンテナンスが重要です。
看板の劣化を遅らせるには
看板の法定耐用年数以内であっても、看板自体が劣化して使えなくなってしまうということも考えられます。このような事態を防ぐためにも、日頃のメンテナンスが重要です。
日頃から看板にサビやひびなどが発生していないか確認しておくだけでも、ささいな異常に気がつくことができます。部品などが取れてしまっている、欠けてしまっている等の場合は落下や倒壊の危険もあるため、速やかに点検・修理の対応を行いましょう。
また、屋外看板の場合は、設置の際に自治体に「屋外広告物の届出」を提出し、3年に一度定期点検を行う必要があります。
看板の劣化は事故を引き起こす可能性もあります。日頃から注意しつつ、異常が見られたら速やかに対応することが大切です。
まとめ:看板耐用年数を解説!法定耐用年数や減価償却についても解説します
今回は、看板の耐用年数について解説しました。
看板の耐用年数は寿命とは異なり、減価償却の際に費用として計上できる期間のことを指します。看板の法定耐用年数は素材や看板の種類(取り付け方)によっても異なりますので、確認しておくと良いでしょう。
また、看板の劣化を遅らせて長持ちさせたい場合は、定期的なメンテナンスの他に日頃の手入れを行うとよいでしょう。
特に、屋外看板の場合は、劣化による部品の欠けやサビが発生することが想定されます。これらの破損や摩耗は時に事故を引き起こすおそれもありますので、日頃より注意を払っておくことが大切です。
看板の状態について疑問があったり、メンテナンスをきちんと行いたいという場合は専門店に相談してみるのもよいですね。
店舗の顔である看板を大切に取り扱い、できる限り長持ちさせて最大限活用していきましょう。